ブックレビュー|カート・ヴォネガット『ガラパゴスの箱舟』
ヴォネガットはあまり読んでない。映画は爆音映画祭で観たけど『スローターハウス5』も未読だ。
いや、実のところ本作が自分にとっては初ヴォネガットのようだ。自称SFファンとしてこれは由々しき問題かもしれない。もっと読まなくちゃ。
とりあえず前出『スローターハウス5』と『猫のゆりかご』から始めるか。
本書はネット通販でたまたま目について「○円以上でポイントアップ」の価格大台乗せのためについでに買ったもの。でも上述のようにヴォネガットを読むきっかけになった。
さて、と書いてきたところでこの本ていったいどういう話だったっけ、と思い直してみたものの、読後から3年ほどを経た現在、まったく記憶の欠片すら残っていない。
いったいこりゃどういうコトだと自問したりもしてみたが、この小説の感想などをネットで改めて眺めてみて成程とも思える。
要するに、つかみどころのない小説だったようだ。
元ネタ、といえるのかどうかは分からんのだけれど、山本直樹『RED』で登場人物の頭の上に常に”死ぬ順番”がナンバリングされていたのと同じ手法が、この『ガラパゴスの箱舟』でも為されている。
もっとも、こちらのほうがずっと先に書かれていたわけだし、より単純な表現にはなっているのだけれど。
果たして山本氏はここからインスパイアされたわけなのかなあ。
そうらしい記述もあるとのことがネットでは言及されているのだが。
たまーに小説で(殊に海外の翻訳もので)読んでいても頭に入ってこない場合があるのだけれど、たぶん本書もその類いのひとつだったのかもしれない。
訳の問題もある場合もある、とは思うのだが。あるいは著者の文体のせいなのか。
(でも本書は浅倉久志の訳なので悪いわけではないと思うのだけれど)
うーん…
ともあれ、ヴォネガットはこれから読んでみたい作家ではあるのだが、これでは先が思いやられるなぁ…。
[2014/12/04読了]